12年前に夫がうつ病になった時の話しを思い出したので書いています。
あの時から比べたら、まるで別人のようだなと感じます。
夫のうつ病寛解までの道のり①
夫のうつ病寛解までの道のり②
夫のうつ病寛解までの道のり③
夫のうつ病寛解までの道のり④
夫のうつ病寛解までの道のり⑤
これまでの話しです。良かったらお読みください。
今回は 夫のうつ病寛解までの道のり③ の続きになります。
2010年の時の話しです。
2006年に結婚してから、4年がたっていました。
2008年にはねこを飼い始めました。出会ったねこに一目ぼれして、夫と話し合って飼うことに決めました。
今思うと、2人だけの暮らしに何か変化を起こしたかったように思います。
ねこを飼ったことで心に潤いは湧きましたが、夫のうつ病に変化は見られませんでした。
友人からカフェでもやってみたら、と言われたことでその気になっていた時に、知り合いから手ごろな価格で場所を貸していただける話になりました。
とりあえずやってみようと思い、夫にも相談しました。
金曜と土曜は私がひとりでお店をして、日曜だけ夫のパスタを提供する。
オープン前には友人主催のイベントでパスタを提供させてもらいました。
そこで夫と味や提供する手順などの調整、確認をしました。
そうして2010年の6月に、週末だけのカフェをオープンしました。
今思うとよくやったな~と思います。
ひとりで飲食店をオープンするための責任者研修を受講したり、役所の立会いや書類の提出などを行いました。
飲食店の経験もさほどない中(夫も私もアルバイトの経験だけでした)
毎週メニューを考えたり、調理して提供して…(調理の仕事は未経験だったので、本当に大変でした)
どんな気持ちでやっていたのか、あんまり覚えていないのですが、とにかくなんとか生活を変えたくて必死だったな~と思います。
夫には、自分の得意なことで人に喜んでもらった、という体験をしてもらいたい
そのことで喜びを感じたり、気分転換になったら良いな、と思っていました。
さらに、こういう経験を通して、何とかやっていけるという自信のようなものがついたら良いな…という思いもありましたし
私自身も、カフェを楽しめたら良いなと思っていました。
ところが実際にやってみて分かりましたが、とにかく大変でした。
買出しから仕込み、調理や片付けや店舗内外の管理をひとりでやるので、とても大変でした。
大変だったのですが、夫がパスタを作る姿を見ることが嬉しかったです。
楽しそうに、作っていたのは今でも覚えています。
最初は毎週日曜に起きられるのかな、続くのかな
と心配でしたが、結局閉店するまでの10ヶ月、休むことはありませんでした。
夫も自分の得意なことで、まさかお店をするようになるとは夢にも思っていなかったようでした。
そうですよね。私も思ってませんでした(笑)
宣伝もそんなにせず、週末しか空いていないお店はお客様もそんなに多くはなく、ランチタイムが終わると閉店時間になる夕方までヒマでした。
この数時間の間、毎週毎週夫と2人でずっと話していました。
場所が変わることで話しやすくなるのか、楽しい場所だからなのか
色んな理由があると思いますが、何かしら話していました。
うつが良くなってから聞いたのですが、この話していた時間も、うつが良くなるための助けになったそうです。
話すことで自分の気持ちや考えが整理されていった、と言っていました。
ただひたすらに夫の話しを聞き続けたのが、結果的にカウンセリング(ほどではないですが)のような効果になっていたようでした。
ずっと続けていけたら良かったのですが、2011年の春前に私が体力の限界を感じるようなりました。
どこか夫のためにはじめたところもあったので、気持ちも続かなくなっていたのだと思います。
夫は閉店することに、とても残念がっていました。
その時は日曜の話す時間が、そこまで気分転換になっていると知らなかったので、パスタを作れなくなるのがそんなに残念なんだ…と思っていました。
2011年の春、カフェを閉店しました。
カフェをしたことによって、もともと夫とはよく話していましたが、さらにもっと気持ちを話すようになりました。
私も夫に対して、こうなって欲しい、という期待を持たないようになっていったので、夫の話を聞けるようになっていきました。
夫が後からよくなった3つとして
自分の努力
カウンセリング(と病院)
カフェ(私と話した時間)
と何回も言っていました。
それくらい、カフェの経験はお互いにとって大きな経験だったと思います。