「自分がわからない」原因と対処法

皆様こんにちは。

うつ症状・人間関係のお悩み、自己肯定感の改善のお悩み

兵庫県明石市・神戸市西区の心理カウンセリングルーム「リアルセルフ」

心理セラピスト 澤田智恵子です。

 

カウンセリングに悩みの相談に来られるクライアント様の中で、「自分がわからない」と言われる方が多くいます。

「自分のことなのに、わからないってあるの?」と思われますか?

人生の中で大きな決断に迫られた時、考えがあらゆる方向に飛んでしまい、答えがすぐに定まらない。

このような経験をしたことはありませんか。

「自分がわからない」というのはこのような状態と似ています。

生きている中で自分がわからない状態というのは、意外と少なくないと思います。

 

「自分がわからない」人が感じる苦しさ

自分がわからない状態が、たびたび起こるのはしんどくて、疲れることです。

例えば仕事や家庭の事情で、このような状態を定期的に味わうことを想像すると、誰しも疲れを感じるのではないでしょうか。

「自分がわからない」ことは、誰しもが少なからず一度は人生の中で経験すると思いますが、中にはこの状態が悩みにならない人もいます。

「自分がわからない」ことが、悩みにならない人となる人では感じる苦しさに大きな違いがあります。

「自分がわからない」ことが悩みになっている方は、自分がわからないしんどさに加えて、強い不安や心配をずっと感じています。

誰しも自分がわからない時があっても、いったん何かしらの答えが出てしまった後は「やるしかない(またはやらない)」と思い行動に移ります。

しかし、悩みになる人の場合は、何かしらの答えが出たとしても、長い期間にわたって、不安や心配をずっと感じています。

周囲の人からすると、「そんなに不安になるならしなきゃよかったのに…」または「もう済んだことなんだから、気にしなくていいのに…」と思われることがあります。

自分がわからなくて悩んでいるあなたは、実際にそのように言われたりしたことはありませんか?

今回は「自分がわからない」ことが悩みになっている方のために「自分がわからない原因」、また「対処法」について書いていきます。

 

自分がわからない原因① 「自分の本音を感じない」

自分がわからない原因として、「自分の本音を感じない」ということが挙げられます。

本音は「感じる」ことでしか知ることができません。

「本音を感じない生き方」を続けていると、自分がわからなくなっていきます。

私たちは、「建前」と「本音」の2つを持って生きています。

「建前」と「本音」は社会生活を営みながら幸せに生きていく上で、どちらも欠かせないものです。

誰しも子供時代は、本音を感じながら過ごしてきたはずです。

ところが成長していく中で、建前が優勢になっていきます。

学生時代や社会人になると、みんな当たり前のように建前で話すようになっていきますよね。

建前は、私たちが暮らす上で大切な役割があります。

しかし、本音も私たちの大切な一部です。

本音を感じないことは、自分自身の存在を無視するに等しいことです。

本音を感じないことは、自分自身を無視しているような状態のため、結果、自分が分からなくなっていきます。

 

自分がわからない原因② 「他人の目・評価が気になる」

自分がわからない、とは言われる方は多いですが、「どのような場面でそう感じるか」をお聞きしていくと、「他人が関係してくる場面」でそう感じている方が多く見られます。

例えば、一人きりで自販機で飲料を自分のために買う場面で「自分がわからない…」とはなりません。

もちろん、お茶がいいのかお水なのか、ジュースなのかはたまた…と迷うことはあるかもしれません。

しかし、

他人の目がある

他人に結果を知られる

結果によって他人からの評価が気になる

このような場合、迷いが止まらなくなり混乱していき、自分が分からなくなっていくことが多いのです。

 

自分がわからない原因③ 「正解を探してしまう」

②の「他人の目が気になる」ことと関係しています。

他人の目・評価が気になるからこそ「正解」を探すようになります。

(厳密にいうと、他人の目でもあり、自分の中に居る「自分の目」を気にしているという状態です。)

他人の目や評価が気になることで、

他人から評価される正しい答え

他人から突っ込まれても大丈夫な誰の目から見ても正しい答え

を探すようになります。

このように「自分にとっての正しい答え」ではなく「他人から見た時に正しいと思われる答え」を無意識に探してしまうようになると、自分の本音より他人の目や評価が優先されてしまいます。

「他人から見た正しい答え」というのは小学生くらいの時代には存在するかもしれませんが、大人になるに従い価値観が多様化する中で手に入らなくなっていきます。

しかし何とか「誰の目から見ても正しいと思われる答え」を探そうとしてしまうために、自分がわからなくなっていきます。

 

自分がわからない原因④ 「失敗を避けたい・恐れる」

②の「他人の目が気になる」ことと関係しています。

他人の目・評価が気になるからこそ「失敗」を避けたくなる・恐れるようなります。

(厳密にいうと、他人の目でもあり、自分の中に居る「自分の目」を気にしているという状態です。)

他人の目や評価が気になることで、失敗への恐れを感じるようになります。

そのため、失敗を避けるための答えや考えを探すようになります。

このように「失敗について気にし始めたりする」ために、自分が何を気にしているのかわからなくなったり、どうしたいのかもわからなくなって、自分がわからなくなっていきます。

 

自分がわからない原因⑤ 「自信が感じられない」

①~④とも関連していますが、自分自身が感じることや、自分の考えることに自信が持てないことにより、自分がわからなくなります。

「自分がわからない…」とカウンセリングでクライアント様は言われます。

「本音も感じにくい…」という方もおられます。

しかし、カウンセリングで時間をかけてお聴きしていくと、きちんとご自身の「自分の答え」「考え」をお持ちです。

ただ、自信がないためにダイレクトに自分の答えや考えを表現できずにおられます。

①~④のことを口にされながら、「プライドが高いんだと思います」「プライドが高いから人の目を気にしたり、失敗できないと思ったりするんです」と言われますがむしろ反対です。

なぜか、自信がないと感じるからこそ、①~④である必要を感じるようになります。

このように自信が感じられないことも、自分がわからなくなる原因のひとつです。

 

自分がわからなくなるのはこんな時

自分がわからなくなるといっても、いつもそうなるわけではありません。

24時間、365日、自分がわからないわけではないのです。

「迷う」ということはあっても、自分がわかっている時間も存在しています。

例えば、今日着る服であったり、食べるものであったり、自販機で飲料を買う時、趣味や慣れた仕事などは、迷いはしても「自分がわからない」と思わないはずです。

カウンセリングでお聴きすると、他人が関係してくる時や場面に「自分がわからない」と感じられているようです。

例外として

間違ったり失敗しても自分にとって問題がない場合

自分が気を許している相手の前(この人の前なら大丈夫・気にならないと自分が感じる相手)

などの場合は、「自分がわからなくなる」とはなりません。

 

自分がわからない最大の原因「自己肯定感が感じられない」

自分がわからなくなる大きな原因として、自己肯定感が感じられないことが挙げられます。

自己肯定感とは、どんな自分でも肯定できる感覚です。(一時的な自己否定はあったとしても、自分を認められる感覚)

その自己肯定感を感じられないことで、自信がないと感じるようになります。

自信がないと感じると、自分が分からない原因①~④や、それ以外にも自分が感じたことや考えたことに自信が持てないようになってしまいます。

自分の感覚や意志などに自己肯定感を持てない(自信がない状態)ため、人の目や評価が気になってしまいます。

人の目や評価が気になることで、自分の本音も感じにくくなります。
(本音を感じることよりも、人の目や評価に合わせようと建前の力が働くからです。)

このように自分が分からないようになるのは、自己肯定感が持てないことが原因です。

自己肯定感が感じらない=自信がない=自分が分からない

最初に、自分がわからない人は、心配や不安が強いと書きました。

常に不安や心配を感じるのは、自己肯定感が感じにくいため、人の目や評価(自分の内側からの目も含む)が気になってしまうからです。

 

自分がわからない時の対処法その① 「本音を感じてみる」

自分がわからない原因①で、「自分の本音を感じない」と書きました。

対処法は、その反対です。

自分の本音を感じるようにしてみましょう。

本音は心で感じます。

建前(思考)では「こうするべき」「こうした方が良い・悪い」「正しい・正しくない」「成功・失敗」などの考えが浮かぶかもしれません。

そのような考えが浮かんできても、いったん置いておいてください。

心ではどんなことを感じていますか?

感じてみましょう。感じて自分を知っていきましょう。

 

自分がわからない時の対処法その② 「本音を認める」

①の本音を感じると似ていますが、①で感じた本音を認めることです。

時々、本音は自分にとっても都合の悪いこともあります。

例えば、仕事が辞められないと思っているのに、本音では仕事を辞めたいと感じていたとします。

そのような本音を感じても仕方ないと思う時、本音を感じないようにしてしまうことがあります。

また、感じたとしてもそのように感じてしまう自分ではいけないように思ってしまうことがあります。

本音は、出来事への反応です。

止めようとしても勝手に感じてしまうものが本音です。

湧き出た本音を否受け入れること、認めることも自分を知るために大切です。

 

自分がわからない時の対処法その③ 「何を不安に思っているか、心配しているかを書き出してみる」

自分がわからなくなるのは、人の目や評価が気になることが関係していると書きました。

人の目や評価が気になることで、正しい答えや失敗しないことなどを探すようになり、自分がわからなくなっていきます。

人の目や評価が気になるということは、「何かを心配・不安に思っている」ということです。

職場、仕事、親子や友人など対人関係の中で、心配・不安に感じていることを書き出してみてください。

何を不安に思っているのか、どうなることを心配・不安・恐れているのかを、知っていくことで自分を知っていけます。

そして、不安や心配を明確にしていくと、気持ちも落ち着く効果があるので、落ち着いた気持ちで自分を見つめていくことが出来ます。

 

自分がわからない時の対処法その④ 「本当はどうしたいのかを問い続ける」

自分の本音を感じ、否定せずに受け入れて、自分を分からなくさせるほどの心配や不安とはどのようなものかを探ったあとは、

自分は、本当だったらどうしたいのか?

と問い続けてみてください。

恐れのない、大丈夫な自分だったら本当はどうしたいのか?を自分自身に聞いてみてください。

出来るとか出来ないとか

そうなるとかそうならないとか

知っても意味がないとか

などと思わずに、考えてみてください。

最初はわからないかもしれません。

数日、数週間たって後になってから気が付くかもしれません。

そうして出てきた答えが「あなた自身」です。

この答えを出し続けることで、自分がわからない という状態から抜け出していけます。

 

自分がわからない時の対処法《番外編》「体を強くする」

メンタル面の対処法以外に、体からのアプローチもあります。

人の目や評価が気になること、今の自分に自信が持てないこと、それにより持ち続けてしまう不安や心配。

これらを払拭するアプローチのひとつとして、「体に自信を感じるようにしてみる」という方法があります。

筋トレや武道を習う、スポーツに打ち込む…などです。

肉体を強化することや、肉体のストレスに打ち勝つ自分を実感することで、精神面に余裕を感じさせる方法です。

メンタルに余裕が出ることで、自分を知っていける・表現できるようになるというケースもあります。

 

「自分がわからない」原因を探るカウンセリング

自分だけで行う対処だけでは、まだ自分がわからない

自分がわからないようになった原因を知りたい

こんな風な自分から脱却したい

そう思われる方には、カウンセリングがおすすめです。

カウンセリングの時にもお伝えしていますが、赤ちゃんで生まれた時、人は自分がわからない、とは思っていなかったはずです。

赤ちゃんは自分自身そのものの状態で生きています。

しかし、大人になるにつれて、いつの頃からか、自分が分からなくなってきたはずです。

ネットで調べると、幼少期に我慢や抑圧、過干渉、怒られていたなど自尊感情を持てなかったことが原因で自分がわからなくなる、と書いていました。

インナーチャイルドが原因、ということですね。

自尊感情が持てなかったからだ、という情報を知って変われる方には、カウンセリングは必要ないと思います。

「原因は分かった。でも自分のことはやっぱり分からない。どうして良いのか分からない。」

という方には、カウンセリングがおすすめです。

そのようになった経緯や過去を紐解くことで、自分を深く理解していけます。

深く理解するからこそ、気づきや納得が起きます。

心で納得が出来るからこそ、自然な変化が起きていくのです。

心の納得が起きにくいと感じる場合は、ヒプノセラピーがおすすめです。

潜在意識にある、もう忘れてしまった経験を紐解くことでより深い納得や気づきを得ることができます。

自分が分からない、自信がない、自己肯定感が感じられないというかたは、ぜひカウンセリングにお越しください。

お気軽に相談してくださいね。お待ちしております。